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A:低反発マットと高反発マットどちらがいいのか?

[カテゴリ] 体圧分散マット
[更新日] 2011/5/14

この事に関しては以前にも何度か書いた事があるがまだまだ一般消費者には誤解や間違った情報を

習得している人が多いようですので、今回はなるべく抽象的にならないように書こうと思います。



1、低反発が柔らかいもので、高反発が硬いものという認識。

2、低反発は耐久性が無く、高反発は耐久性があるという認識。


この認識を持たれている人は多いと思うが、

これはあくまで同じ材料を使った同じ密度で作られたフォームマットであれば当てはまる話です。

しかし、実際には低反発と高反発が同じ組成で作られているものはほとんど無いと思います。

(物理的に無理です)つまり、低反発と高反発という事だけで議論にはならず、

比較しようにも出来ないというのが正しいのです。

各メーカーの製品が反発性が強めのものなら高反発をアピールし、

反発性の弱いものは低反発をアピールしているだけで、そこには何の基準も無い。

どれだけ以上なら高反発なのでしょうか?ということです。

このような質問が多いという事が消費者が業者に振り回されている証拠でもあると私は感じています。











素材が変われば基準も変わってしまいます。

ここではウレタン系(石油)フォームの製品で考えてみます。

これまでは、一般的に各メーカーが何らかのフォームマットを作る際、普通は中反発性で中密度、

中硬度と言える範囲で極力万人向けで、かつ、ある程度の耐久性を考えて作られていました。

しかし、低反発フォームの出現でこれまでの常識や秩序が崩れてしまった様に感じます。

ある意味、掟破りのような存在だと言えます。

そもそも低反発製品は数年前にスウェーデンやデンマーク辺りの北欧の国からの製品によって

日本でも話題にされてきました。

低反発の高密度フォームが気温の変化によって硬さが変わってしまう事はすでによく知られている事

ですが、これは湿度のある大気が温度変化を起こすことで起こります

つまり北欧とアジアでは年間湿度は大きな差があり、

アジアでは低反発の高密度フォームは不向きだという事です。

テンピュールも当初北欧仕様の物は硬度変化が大きすぎて、

密度を変えたか反発性を変えたか分かりませんが、

アジア向け用に途中から別仕様になりました(現在売られているもの)。

テンピュール社の物はウレタン系低反発の高密度で作られていますが、

他のメーカーの物は (中国製などは特に)硬さが変化するのを恐れ、

中反発よりで低密度にしているものが目立ちます。

そうなればもはや、ただの安物ウレタンマットレス(昔からある布団の下に敷もの)です。

ウレタン系低反発の物は高密度の物でも枕で3年ほどしたらヘタってきます。

人間が横になった時の体圧の掛かり方の配分は頭で約8%お尻が約44%だそうです。

体重50kgの人なら頭は重いと言っても4kg、お尻は22kgにもなります。

という事は、寝返りのしやすさとか、季節による硬度の変化や体圧分散性能という以前に、

低反発ウレタンだけで作られたものは、枕ならまだしも、

マットには到底適した素材だとは考えにくいと思う事が自然である。

低反発の弱点を知り、利点を活かすことが重要で、

当店では枕とマット共に部分的に使った製品は取り扱っています。

反対に高反発であっても弱点はあり、その特性を良く知った上で考えられた商品でなければ

良いものとは言えません。

(組合せ・形状・密度バランスなど)いかに、バランスのとれた仕上げがされているかが、

商品としての良し悪しだと思います。

そして最も重要な事は、何遍も言っていますが、万人に合う製品なんてありません。

一人ひとりに体型や体重など特徴に合ったものをそうした製品の中から

さらに探し出す作業が最も重要な事なのです。

当店では体型ラインを割り出してお薦めする物を選択しています。

決して好みで選ぶ事でも正確ではないのです。

好みの多くは単なる慣れているという事が多いです。

本当にその人がリラックスできる寝姿勢を作り出すことは、そんなに容易なものではありません。







それでも結局、低反発と高反発どっちがいいの?と言うのであれば・・・

・・・

低反発と高反発というキーワードだけでなく、そこにせめて中反発というキーワードを加え、

中反発~高反発の範囲が良いのではないでしょうか

そして、低反発だけで出来ている製品は良くない。と言う事はハッキリと言えそうです。